中国 中古品・リユースEC市場 取引規模(億元, 2013-2020)
公開日:2019年12月26日
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中国の中古品市場取引規模 | 12539.7 |
中古品取引市場規模は2020年には1兆元を突破
中古品取引市場の大半がCtoC-ECによるもの
中国の中古品取引市場規模は、2017年時点で5,708億元(約9兆7,033億円1)となっている。2020年には1兆元台に突入する見通しである。中古品取引市場の大半はCtoC-ECによるものである。iResearch 社の試算では、中国のCtoC-EC人口は 2017 年に約 7,600 万人達しており、2018年には1億人を超えるとされている。
新品在庫が中古品取引市場に流入
主な取引商品は家電や衣服、ブランドバックなど。経済産業省によれば、これらの大半は正確には中古品ではなく、余った新品在庫(=未使用品)である。旧正月に頂いた品物をこの市場で処分していると考えられている。中国の消費者は昔からリユース品に対して抵抗感を抱く傾向があり、それ故、新品在庫(=未使用品)が好まれる。また、模倣品や海賊版が多く出回っているのも新品在庫(=未使用品)の需要を高めている。
高い評価を受ける日本の中古品
中国の中古品取引市場の拡大を背景に、越境ECを介して、積極的に中古品を展開しようとする日本のEC事業者も存在する。これを後押ししているのが、中国人の日本の中古品に対する高い評価である。中国人は「日本からの商品であれば、正規品に違いない」と信頼しており、日本からの商品に対する信頼性は高い。また、日本人はモノを比較的丁寧に扱うため、状態がいい中古品が多いとの評価もある。他方では、嗜好性の違いを生かした販売戦略という側面もある。例えば、日本人には人気がない色やデザインであっても、中国では人気になる商品がある。
中国の中古品・リユースEC市場は上位3社で市場全体の約95%を占める
経済産業省によれば、中国の中古品・リユース(CtoC-EC)市場は3つのステージを経て現在に至っているとされている。
第1ステージ:オフラインからオンラインへの初期的移行段階
第1ステージの期間は主に2002年〜2004年である。当時はインターネットを介していたものの、取引範囲は従来の生活圏内に限定されていた。主な商材は書籍や生活雑貨などであった。代表的なプラットフォームとしては、孔夫子旧書網や「タオバオ(淘宝網)」を運営するアリババグループなどが挙げられる。
第2ステージ:インターネット普及率の上昇を背景に取引量が急速に拡大
第2ステージの期間は主に2005年〜2013年である。この期間ではインターネット普及率の上昇を背景に、PC端末を介したCtoC取引が活発化した。しかし、依然として、取引範囲は従来の生活圏内に限定されたままであった。主な商材には書籍や生活雑貨に加えて、大型生産財やスマートフォンなどの電子製品なども扱われるようになった。この時期の代表的な事業者としては、58同城や中国二手設備網などが挙げられる。
第3ステージ:モバイルの普及を背景に新規参入業者が増加
第3ステージの期間は2014年〜2018年である。経済産業省によれば、この期間ではモバイル端末が普及し、多種多様なアプリケーションやミニプログラムが誕生したことで、他分野からの新規参入業者が増えたとされている。大手EC事業者であるアリババグループやJD.com(京東)グループ、大手IT企業のテンセントなどが参入したことで、業界内の勢力図は変化した。2018年末時点には、アリババグループ傘下の「闲鱼(Xianyu)」、テンセントが出資する58同城の「轉轉(ZhuanZhuan)」、JD.com(京東)グループ傘下の「拍拍(PaiPai)」の3社で、CtoC-ECの市場規模の約95%を占めていると言われている。扱われる商材も第1・2ステージから変化しており、自動車やブランド品、芸術品などより高価なもののやり取りが行われるようになっている。また、第1・2ステージでは生活圏内に限定されていた取引範囲も、物流網などの発達を背景により広範囲にまで広がっている。
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1元=17円で計算 ↩